The Best Albums Of 2016 [40-31]

40. Brave Radar - Lion Head

モントリオールのインディー・ポップ・バンドBrave Radarの最新作。元々はシドニーで結成されたバンドであるが、モントリオールにて再始動。今作は今面白いFixtureからのリリースが決まって、初のヴァイナル作品となる。カナダDIYシーンの隠れた秘宝と言われるように、アルバムの出来は素晴らしい。Broadcastからの影響を感じさせる、80年代ポスト・パンク、ニューウェーブ・サウンドである。

39. Negative Gemini - Body Work

100% Electronicaが送り出す今年大本命アーティスト。ニューヨークの女性プロデューサーNegative Geminiのデビュー作となった本作。90年代テクノと今のエレクトロニカをミックスしたようなサウンドで、それでいてポップに昇華した楽曲は、踊れるだけでなくドリーミーに響き渡る。アルバムのハイライトでもある「You Never Knew」は是非オススメしたい一曲だ。

38. Eerie Wanda - Hum

Eerie Wandaという名前のアーティストによるプロジェクトではなくて、女性シンガー・ソングライターMarina Tadicを中心としたインディー・ポップ・バンド。拠点はオランダ、アムステルダムである。本作は彼女たちのデビュー作であるが、このバンドを見つけたBeyond Beyond Is Beyondはナイス・ワーク。このレーベルは日本の幾何学模様とかもリリースしていて、アンテナの広さを伺うことができる。

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37. Cymbals Eat Guitars - Pretty Years

ギター・ロック・バンドとして輝きを放ち続けてきたインディー・ロック界の良心とも言える若手4人組バンドも本作でキャリア4枚目となった。過剰な展開、白熱するシューゲイズ・ノイズ、これらを用いて今までになかったサウンドを展開してきた彼らであるが、本作はフロントマンJoseph Ferociousのソングライティングを最も際立たせるものとなっているように感じる。4作目となるとバンドも随分落ち着くものなんだなと、もちろん良い意味で。ギター・サウンドありきの楽曲を展開していたようなイメージがある今までの作品とは一転して、楽曲ありきのギター・ロック・サウンドに変わっているようだ。改めて彼らの才能と可能性を感じることができた一枚である。

36. Anna Meredith - Varmints

ひょっとしたら、このアルバムが今年一番衝撃的だったかもしれない。スコットランドの女性プロデューサーの初めてメインストリームにて聴かれた作品がこの『Varmints』である。クラシック・ミュージックを背景に、アナログとデジタルを見事なまでにブレンドさせた傑作だ。エナジーの溢れる展開や、気怠さを演出するようなボーカル・ラインが見事にマッチしている。こんなにも奇抜な音楽なのに、何度も聴いてしまうのは、やはりこの作品がしっかりとポップ・ミュージックとして成り立っているからであろう。

35. Scott & Charlene's Wedding - Mid Thirties Single Scene

この手のバンドには一度好きになってしまうと離れることができない何かがある。メルボルンのガレージ・ポップ・バンドによる最新作は彼らのキャリアの間違いなく最高傑作だろう。フロントマンであるCraig Dermodyを中心とした、とにかく現地主義なバンドで、日本にも2回来日している。彼の30代の人生が詰まった作品で、PavementやThe Fall、The Velvet Undergroundのようなアーティストを思わずにはいられないボーカル、そしてシンガロングしたくなるキャッチーなフレーズ。みんなで「Don't Bother Me」と叫ぶのは実に爽快である。

34. Better Person - It's Only You

ベルリンのアート・ポップ・シンガーによる新作EP。ベルリンに拠点を置くMansions And Millionsというレーベルに所属しているアーティストであるが、このレーベルからのリリースが軒並み素晴らしい。Better PersonはTOPS周辺のモントリオールのアーティスト、Sean Nicholas Savageらと交流が深いようで、コラボレーションもしている。70年代ソフィスティ・ポップに多大なる影響を受けたグッド・アルバムだ。

33. Drugdealer - The End Of Comedy

Drugdealerという名前の通り、そういったものを連想させる作品だろうか。Run DMT、Salvia Plath、The Doobie Sisters、Silk Rhodesのようなプロジェクトで活動してきたロサンゼルスに拠点を置くMike Collinsが行き着いた新プロジェクト。プロデューサーはAriel Pinkで、聴いてみたら、なるほど、と思わせるサウンドである。60年代サイケを纏いながら、ゲストのWeyes Bloodの起用法も実にうまいと思う。どこまでも気だるくドラッギーな名作だ。

32. Big Thief - Masterpiece

Saddle Creekというレーベルは(例えばBright Eyesのようなアーティストが最も有名であるが)、00年代のインディー・ロックを牽引してきたレーベルの一つと言えるだろう。最近になってここからヒットと言えるような作品は出てきてなかったように思えるのだが、昨年のHop Alongが注目を得たことを皮切りに、今年はこのBig Thiefというアーティストを世に送り出した。個人的にはHop AlongよりはBig Thief派である。いわゆる典型的な女性ボーカル・インディー・ロック・バンドなのだが、そのスタンダードさが逆にクセになる。こういったバンドが欲しかったのになかなか出てこなかった。心からありがとうと言いたい。

31. Preoccupations - Preoccupations

Viet Congから改名してPreoccupationsとして新たなスタートを切った彼らのセルフ・タイトル新作。バンド名を変えたこと以外はいいことはなかったとか評されているが、どう考えてもこの新作は1st超えの名作だと思う。より実験的に意欲的に、すべてのことをポジティブに捉えた結果の作品だ。10分超えの大曲「Memory」を始め、我々をより楽しませてくれる内容になっている。

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